2024/09/22
2059年の年金額は月38万円。これでぜいたくな生活はできる?
2059年の年金額は月38万円。これでぜいたくな生活はできる?
2059年、
現在30歳の夫婦が65歳になる頃には、
2人合わせて月38万円の年金が支給されると予測されています。
でも、
この金額でぜいたくな生活はできるのでしょうか?
厚生労働省が発表した将来の年金額をもとに考えてみましょう。
まず、
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出は、
2023年の家計調査によると約25万円。
これを基準にすると、
月38万円の年金で約10万円を貯蓄に回すことができそうです。
ただし、
都心の賃貸物件に住んでいる場合は家賃の負担が大きく、
病気や医療費の急増も考慮しなければなりません。
ぜいたくとは言えないかもしれませんが、
基本的な生活はできるでしょう。
また、
夫が会社員で妻が専業主婦の「モデル世帯」の場合、
年金額は月33万円。
この場合、
共働き世帯よりも老後の資金繰りが厳しくなる可能性があります。
経済成長が鍵
将来の年金額は経済成長や労働参加に依存しています。
特に、
女性や高齢者の労働参加が進めば年金財政の支え手が増え、
結果として年金額が増える可能性があります。
しかし、
今後も経済が成長しなければ、
共働き夫婦で月25万円、
モデル世帯では月21万円と、
現在の年金額よりも減少するリスクもあります。
自助努力が求められる時代
2019年に話題となった
「老後資金2000万円問題」からもわかるように、
公的年金だけでは不安を感じる人が増えています。
そのため、
個人型確定拠出年金(iDeCo)や少額投資非課税制度(NISA)などを利用し、
自分自身で資産を形成する「自助努力」が重要です。
特に、
若いうちから少額を積み立てることで、
長期的な資産形成が可能になります。
年金制度の見直しが必要
日本の労働環境も変わっており、
2023年には共働き世帯が1200万世帯を超えています。
専業主婦世帯の3倍に達しているため、
年金制度も現状に合わせて見直しが必要です。
また、
女性の労働参加を促すための「年収の壁」や、
年金を受け取りながら働く高齢者への支給停止制度の改革も求められています。
終わりに
2059年の年金額が38万円であっても、
それだけで安心とは言えません。
経済成長や個々の資産形成、
そして働き方に応じた年金制度の改革が重要です。
私たち一人ひとりが早めに備えを始めることが、
将来の安心につながります。